闘う免疫
さて、前回お伝えしましたが、私たちの身体にはいたるところに、異物の侵入を防ぐ
バリアとしての免疫機能が備えられています。 しかし、それでも防ぎきれずに異物
が侵入してきてしまうと、いよいよ第2ステップ、『 自然免疫 』が働きはじめます。
これは生まれた時から備わっていて、身体を守るために初期の段階で働きだす免疫
機能です。 細菌や寄生虫、アレルギー物質といった異物はもちろん、身体と同じ組織
でも、ウィルスや腫瘍などに侵された細胞を攻撃し、取り除こうとする頼もしい戦士です。

NK(ナチュラルキラー)細胞、マクロファージ、好中球などがそれで、その働きぶりに
ついては、いろいろな映像や写真などでご覧になった事があるのではないでしょうか。
しかし、この自然免疫でも対応しきれないような強敵が現れると、自然免疫はSOSの
指令を『 獲得免疫 』に出します。 これが免疫の働きの第3ステップとなります。
獲得免疫とは、病気にかかったり、予防接種を受けることで後天的に体内に備わる免疫
機能のことで、より強力な反応を起こし、異物に対抗するスーパー戦士で、ヘルパーT細
胞、キラーT細胞、B細胞などがそれです。

この獲得免疫には『 記憶能力 』 を持つという特徴があります。 ですので、過去に出会っ
たことのある異物は、その記憶をもとに、即座に、しかもとても強力な力で対応して排除し
てくれるのです。 しかし、記憶のある特定の異物以外には、働きだすまでに通常3~4日
かかってしまいます。
ですから、最初に働きだす自然免疫の力が弱まると、獲得免疫が働きだすまでの間に、重
症化してしまう…ということも考えられるのです。 つまり、免疫力アップのキーポイントは、
身体にもともと備わっている自然免疫の機能を整え、活性化することなのです。
では、そのためにはどうしたらよいの …? 次回からは、日常生活の中でできる免疫力アッ
プのポイントをお伝えしていきますね (^O^)/