防御の免疫
〝 免疫 〟 は、私たちの全身に備わっている、とても高度で精密、そして複雑なシス
テムです。 そのそれぞれが自分の役割を果たし、連携を取り合いながら私たちの
身体を守ってくれているのです。
さて、その〝 免疫 〟の機能は、大きく3つのステップに分けられます。 その最初の
ステップは、細菌やウィルスなどの病原菌が体内に侵入するのを防ぐということです。
たとえば、まつ毛です。 『 目力アップの決め手 』 などと言われ、美容面から注目され
ることが多いですが、これも、小さな異物や病原菌が入らないように、目を保護すると
いう働きをもつ免疫機能の一つです。
かつては 『 女の武器 』 といわれた涙も、異物を洗い流すという働きと同時に、雑菌を
殺菌して侵入を防いでくれる免疫機能なのです。

皮膚の役割も重要です。 表面を覆う皮脂や体毛は異物のこびりつきを防ぎ、角質層は
外敵の侵入や刺激をブロックするバリアです。 またそこから分泌される皮脂や汗は弱酸
性で、有害菌の繁殖を抑える働きもあるのです。
唾液、胃液、そして腸内細菌も、消化吸収にかかわるだけでなく、抗菌殺菌作用を持ち、
食物などに含まれる病原菌を殺したり、有害菌の増殖を抑えたりして私たちの身体を守っ
てくれる免疫機能でもあります。
嫌われ者の鼻毛だって、ほこり、微生物の侵入を防ぐバリアだし、鼻水も、鼻の中に侵入
してきた外敵を押し流すという大切な役目を持ち、殺菌作用もあるのです。
このように、私たちの身体には、異物の体内への侵入を防ぐバリアがいたるところに張り
巡らされています。 そう思うと、なんだかとても心強く、また自然に感謝の気持ちがわいて
きませんか。
