心を癒すお花の話

四季のある国に暮らしていると、季節ごとに、その姿かたちや色、香りで、私たちを楽しま

せ、元気づけ、癒してくれる草花たちとの出会いに恵まれます。

これは、そんな草花をこよなく愛する私がお届けするメッセージです。

ファンタジーの世界の紅葉  コキア

仕事の行き帰りなどでいつも通る道すがら、あるお家の庭先で、こんもりとしたコキア

の姿が楽しめます。 このぐらいの季節になると濃いピンク色に色づき、モコモコとした

その姿がなんとも可愛らしく、ファンタジーの世界のものとしか言いようがありません!

コキアはアジア原産と言われ、日本には中国経由で渡来したと言われますが、はっきりと

した来歴はわかりません。 ただ、918年に編纂された『本草和名』という植物書に記載が

あるので、その頃にはある程度広まっていたと思われます。

学名の〝Bassia scoparia〟の〝スコーパリア〟とは〝ほうき状の〟という意味です。

実際、昔は枯れた茎や枝を集めて、ほうきに利用していたそうで、和名ではホウキギ、

ホウキグサなどと呼ばれています。

夏は爽やかなグリーン色の葉ですが、秋になると濃いめのピンクから赤へと紅葉する姿

が楽しめます。  ひたち海浜公園 見晴らしの丘のコキアの群植・紅葉は全国的に有名

で、ニュースや新聞などでも取り上げられる季節の風物詩です。

実は、コキアも花が咲くのは真夏です。 雄花と雌花がある小さな花には花びらはなく、

薄緑色のガクが茎にびっしりとつきますが、ほとんどそれが花だとは気が付かないような

ものです。

その地味な花ではありますが、花言葉は 「恵まれた生活」 「夫婦円満」 「忍耐強い愛」

「私はあなたに全てを打ち明けます」 など、堅実でしっかりした感じのものや、赤く染ま

るその姿に由来されるものとなっています。

秋に実る果実を加熱加工したものが、秋田の特産品〝とんぶり〟です。 特に味はないよう

に思いますが、プチプチとした食感と色合いから〝畑のキャビア〟などと形容されて店頭に

並んでいるのをよくみかけます。

〝とんぶり〟という呼び名は、唐(中国)から来たブリコ(ハタハタの卵)から転じたのではない

かといわれますが、食感や形が似ているところから連想されたのでしょうか。

漢方でも、この果実は 『地膚子(じふし)』 と言い、強壮剤や利尿剤として利用されています。

〝とんぶり〟はたんぱく質や炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく含んで

います。 中でも、サポニンという成分には、血糖値の上昇を抑える作用があり、糖尿病の

予防や改善に役立つとされ、また、ごぼうよりも多くの食物繊維を含んでいることから、便秘

の改善や大腸がんの予防にも効果的があるようです。

ふわふわモフモフとした愛らしい姿や、目にも鮮やかな紅葉を楽しむ観賞用植物であり、果実

は健康的な食品であり、おまけに枯れた茎はホウキにすることが出来る…。 一粒で2度なら

ず3度おいしい優れもののコキア。 来春には庭に種まきなどしてみようかな…などと思ってい

ます。

そして〝ファンタジーの世界の紅葉〟までその姿を楽しみ、果実を収穫し、私の永遠の憧れ

〝魔女〟の必需品のホウキを手作りしてみる…なんだか素敵な想像に、思わずワクワクして

しまう私なのです。


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