心を癒すお花の話

四季のある国に暮らしていると、季節ごとに、その姿かたちや色、香りで、私たちを楽しま

せ、元気づけ、癒してくれる草花たちとの出会いに恵まれます。

これは、そんな草花をこよなく愛する私がお届けするメッセージです。

晩秋の空にそびえ立つ華麗な花  皇帝ダリア

温暖と言われる私の住む湘南あたりでも、12月ともなると落葉も進み、ましてや咲く花

の種類はぐっと少なくなってしまいます。  冬至に向かって日に日に陽射しは力が弱まり

日照時間も短くなる・・・。  一年のうちで一番もの悲しさを感じるころでもあります。

そんな冬枯れの景色の中で、〝木立ダリア〟、英語では〝Tree Dahlia〟とも呼ばれる、

この季節には不釣り合いなほど力強く大きな、皇帝ダリアの花が、空にそびえるように咲く

姿を見かけるようになりました。

これはダリアの原種で、草丈が3~5メートルほどにもなる超大型種です。 茎は木質化し、そ

の頂上に直径20センチほどにもなる、大きく優しいピンク色の花を咲かせます。原産地のメキシ

コでは、高原の森林地帯に自生し、雨期の終わりごろに咲き始めるそうです。

日照時間が12時間以下になるころに、花芽が出来るという短日植物なので、開花は早くても

11月半ば頃からで、それから約1か月ぐらいの間楽しむことができるのです。 

この時期に花を楽しめる植物には短日植物が多く、先週お伝えしたシャコバサボテンもそうでした。

それらの植物の花を上手に咲かせるには、夜に人工光を当てないことがポイントです。 室内で育

てているものは、照明のないところに移すか、段ボール箱などをかぶせて光を遮ります。 

皇帝ダリアは大型種ですから庭先などで楽しむものですが、街灯などが当たって明るいところでは

花芽が育ちません。 ですので、植えるときにはそんなことも注意して場所を選びましょう。

皇帝ダリアの花言葉は 「 乙女の純潔 」 「 乙女の真心 」 「 優雅 」 「 華麗 」 「 威厳ある 」など

です。 のびやかな茎先に咲く花の優しい色合いや、晩秋の空にそびえたつようにして咲く威厳ある

花姿からつけられたものなのでしょう。

弱まる陽射しの中、周りの景色から鮮やかさが消え、くすんだ色合いになっていくこの季節に、この花

が群れ咲く光景を目の当たりにすると、なんだかそこだけは季節が逆回りしたような、タイムスリップでも

したような、そんなちょっとした違和感と不思議な華やかさに心が惑わされるように感じます。

冬晴れの青空のもと、冷たさを増す北風に揺ら揺らとゆすぶられながらも、しなやかに、たおやかに咲

く薄紅色の花…私のイメージでは 『 皇帝 』 というよりは 『うら若き女王』 といった感じなのですが…

いかがでしょうか。


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