心を癒すお花の話

四季のある国に暮らしていると、季節ごとに、その姿かたちや色、香りで、私たちを楽しま

せ、元気づけ、癒してくれる草花たちとの出会いに恵まれます。

これは、そんな草花をこよなく愛する私がお届けするメッセージです。

春を告げる高潔にて芳しき花 

桜の華やかさとはまた違った趣の美しさの梅。 奈良時代以前に〝花〟といえばこの梅の

ことで、〝万葉集〟には梅を詠んだ歌が118首もおさめられています。

梅は中国から奈良時代に伝わった花で、この当時はいわゆる〝白梅〟だけだったそうです。

そして平安時代になり、〝紅梅〟が伝わると、その鮮やかな色合いが平安貴族の間で大人

気となり、かの〝枕草子〟にも紅梅のことを語った文章が多数登場してきます。

梅は中国では紀元前から酸味料として用いられ、塩とともに最古の調味料だとされています。

よい味加減や調整のことを〝塩梅(あんばい)〟と言いますが、これはもともと、梅と塩による

味付けがうまくいったことを表している言葉なんですね。

梅といえば花だけでなく、その実もとても楽しみな植物です。 主に花を楽しむ〝花梅〟と、

実の収穫がメインの〝実梅〟は、少々種類が違うのですが、6月の梅雨の時期に収穫できる

実を、私たちは梅干し・梅酒・梅ジャムなど、いろいろな方法で加工して楽しんでいますね。 

私も毎年5キロほどの梅干しをつけるのが、ここのところの習慣になっています。

松・竹・梅はいずれも寒さに耐えるものとして〝歳寒の三友(さいかんのさんゆう)〟とも呼ばれ、

中国では好んで文人画に描かれる画題の一つです。 日本でも〝松竹梅〟はおめでたいも

ののシンボルの一つとされていますよね。

暦の上での春の訪れのころ、まだ冷たい風に身を縮ませて歩いていく道すがらで、その芳香に

気づくこともこの季節ならではの楽しみの一つです。 そんな花姿からか、花言葉は「高潔 」

「 忍耐 」「 気品 」 などが充てられています。

また、梅といえばかの有名な〝飛梅伝説〟。 それに由来して「忠実」というものもありますね。

ではここで、その〝飛梅伝説〟についてご紹介いたしますね。

平安時代の貴族 菅原道真は、朝廷内での公卿同士の政争に敗れ、遠く九州 筑前国の

大宰府に左遷されることとなってしまいました。

〝東風吹かば にほひをこせよ梅の花 主なしとて春な忘るな〟

これは、その赴任を前に、道真がとりわけ愛でてきた庭木の梅、さらには桜・松との別れを惜し

んで詠んだ有名な歌ですね。 道真の庭木たちへの愛情の深さと、遠く九州に赴任せねばな

らぬ無念さがひしひしと伝わってきます。

そんな庭木たちのうち、桜は、悲しみに暮れて枯れてしまったそうですが、なんと梅と松は道真の

後を追って空へ飛び立ったというのです。

その松は、途中で力尽き、摂津国の板宿近くに降り立ち、この地に根を下ろしたそうです。

一方の梅は、一夜のうちに大宰府まで飛んでいき、無事愛する主人のもとに降り立ったのです。

この時の梅と言われている木が、太宰府天満宮のご神木とされています。 道真と彼を神格化

した学問の神様〝天神〟のシンボルとして梅が使われているのには、こんな由来があったのです。

学問の神様である菅原道真を祀る、全国の天満宮や天神は、今年もたくさんの受験生のお参りを受

け大忙しのことと思います。 私は、願い事はするばかりでなく、お礼をしてめでたく終了だと思っています。

合格祈願が叶った人はもちろん、残念ながら希望通りではなかったとしても、受け止めるところは受け止

め、その道を、ベストなものにしていくことを考えるチャンスを与えられたのですから、ここはきちんと礼を尽く

してほしいものです。

さて、我が家の長女の連れ合いは、福岡県の出身です。 その話を聞いた時に一番初めに頭に浮

かんだのが、一度は訪れてみたい憧れの太宰府天満宮、そしてそこの名物〝梅ケ枝餅〟でした。 

婿さんにその話をしましたら、「学生のとき、アルバイトで梅ケ枝餅焼いてましたよ~。」 という返事が

来て…びっくりでした。

その高潔にして優しい花姿と芳しき芳香で、春の訪れを告げる梅の花。 その梅の花の聖地ともい

える大宰府天満宮で、満開の花のもと、焼き立ての梅ケ枝餅をいただく…そんな春の一日を過ごす

日を思いながら、春の明るい陽ざしに、笑うがごとくほころび咲くご近所の梅の花を見上げる・・・そんな

時間を楽しんでいる私です。


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心理カウンセラー永倉知佳(ながくらともか)による子育てママのためのセラピー&カウンセリング・魔法の質問講座

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