心を癒すお花の話

四季のある国に暮らしていると、季節ごとに、その姿かたちや色、香りで、私たちを楽しま

せ、元気づけ、癒してくれる草花たちとの出会いに恵まれます。

これは、そんな草花をこよなく愛する私がお届けするメッセージです。

春を告げる景色、そして味覚  菜の花

春の訪れを告げてくれる花の一つにこの〝菜の花〟があるのではないでしょうか。 一面

の菜の花畑はもちろんですが、道端などにこの黄色い花をみつけると、心に元気と希望

の力が湧いてくるように思います。

〝菜の花〟とは、アブラナ科アブラナ属の花の総称で、ある1種類の植物の名称では

ないのです。 草丈は30~100センチほどの1年草または2年草で、茎の上の方で枝

が分かれ、先端に小さな花をたくさん咲かせます。

その原種は西アジア辺りに自生しており、農耕文化の移動とともに生育範囲を広げ、

日本には弥生時代に渡来したのではないかと言われます。 かなり古い時代から私たち

の生活の近くにある花だったようですね。

さて、菜の花の〝菜〟という字は、食用を意味する漢字です。 ですので、〝菜の花〟

とは〝食用の花〟という意味なのですね。 

実際に、奈良・平安時代には、花びらが食用にされていた記録がのこっており、江戸時

代頃からは、その種から〝菜種油〟を採取する目的で盛んに栽培されました。 また、

菜の花のはちみつも、優しいその甘みと香りで私のお気に入りです。

ちょっぴりほろ苦い菜の花のおひたしや白和え、まもなくやってくるひな祭りのちらし寿司

の具材にと、食卓に春らしさを彩り、春の香りを運ぶ…そんな春野菜の菜の花。

いただくと、体の中に春の力を取り込んだようで、元気が湧いてくるような気がします。

実際に菜の花は、ビタミンCやビタミンA、カルシウム、鉄などの栄養素を豊富に含ん

でいます。 特にビタミンCは100グラム中に120ミリグラムとブロッコリーに次いで多く、

カルシウムもほうれん草の3倍と、栄養価の高い野菜です。

花言葉は 「快活」 「明るさ」 「活発」 「元気いっぱい」 「豊かさ」 「小さな幸せ」…。

茎葉の緑と鮮やかでパッと明るい黄色い花がいかにも春らしく、人の心まで明るくするよう

な、その姿に由来しているといわれていますが、まさにぴったりですね。

また、菜の花は塩害を受けた土壌でもぐんぐんと育つ強さを持っており、東日本大震災

で津波の被害を受けた畑に、菜の花を植えるプロジェクトが、東北ですすめられている

そうです。 春の希望の花が、東北にも明るい未来を届けてくれたら、なんて素敵なこと

なのだろうか…そんな思いに胸が熱くなります。

そして、菜の花といえばこの俳句です。 「菜の花や 月は東に 日は西に 与謝蕪村」

一面の菜の花畑…西の空を夕焼けに染めながら太陽が沈んでいく…そして東の空

からは煌々と輝く満月が顔を出してくる…。

たった17文字で描かれた、春の天と地が織りなす最高の時…。 壮大な繋がりとロマ

ンを感じる、私の大好きな一句です。

来週の木曜日はひな祭りですね。 桃の花と一緒に飾る菜の花と、ちらし寿司やハマグ

リのお吸い物に彩を添える菜の花を、花屋さんと八百屋さんに買いに行かなくては!

眺めて、食して、そのどちらからも春の元気をいただける菜の花…。 桜とのコラボが楽し

めるまでには、あと一月ほどでしょうか…(^^♪


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