心を癒すお花の話

四季のある国に暮らしていると、季節ごとに、その姿かたちや色、香りで、私たちを楽しま

せ、元気づけ、癒してくれる草花たちとの出会いに恵まれます。

これは、そんな草花をこよなく愛する私がお届けするメッセージです。

早春の野にまっすぐにすくすく伸びる  土筆(ツクシ)

3月の声をきくと、川沿いの土手際の道を歩くときに、そろそろだろうか…と、その姿を探してしまう

のがこの土筆です。 一日で1センチ前後も伸びるので、一夜にして顔を出すような印象を受け

ますね。

その後も、勢いよく、まっすぐにすくすくと伸び、筆のように見える頭から胞子を散らした後は枯れて

しまいます。 するとその下からは〝スギナ〟が出てきて、秋にかけて〝緑のじゅうたん〟のように

辺り一帯を覆いつくします。

ツクシは北半球の温暖域に広く分布しており、日本ではほぼ全土で見られます。 あの 『 源氏

物語 』 にも登場していますので、古代からなじみ深い存在だったことが伺えますね。

その名前の由来は、袴のところで継いでいるように見えることから〝継く子〟、また毎日ぐんぐんと

突き出てくる様子から〝突く突くし〟が変化して〝ツクシ〟になった…などと言われ、その姿が

土に立てた筆のようだということで、〝土筆〟という字が当てられるようになったといいます。

皆さんはこの〝ツクシ〟を召し上がったことがありますか? 摘んできたツクシのハカマをとって、ゆで

てあくを抜き、煮物やおひたしなどにしていただくと、シャキシャキとした歯ごたえが楽しめ、春の野趣

を味わうにはもってこいといったところでしょうか。

そして何よりも、この〝摘む〟という作業が楽しいものです。 「ほら、ここにたくさん生えてるよ~!」

「 ここにもみーつけた!!」なんて言いながら、まだ少し冷たい風の中、明るい春の陽射しを受けて

土手や野原をお散歩…(^^♪ まさに早春の風物詩ですね。

ツクシは食用のほかにも、利尿剤、止血剤、解熱剤として、薬用にもされています。 また、近年で

は、ツクシエキスが花粉症の諸症状の緩和に効果があるのではないかという、研究成果が発表され

たりもしていますよ。 

幸いにも私は違うのですが、ツクシで、多くの悩める花粉症患者さんの毎日を、少しでも快適なもの

にすることが出来れば、画期的なことではないでしょうか。

さて、このツクシの花言葉は、すくすく伸びる様子からか 「 向上心 」 「 努力 」、 ツクシの後には

スギナが一面のじゅうたんのように繁茂する意外性からか 「 驚き 」 「 意外 」 などとなっています。

〝向上心〟…。 上を向く心、つまり、よりよい状態と目指して努力すること…。 確かに、心は

下向きよりも上向きのほうがいいですよね。 ただ、あまりに高いところばかり見ていると、自分のま

わりの景色がわからなくなるということもあるし、足元のちょっとした段差や石ころにつまずく事もある

かもしれないですよね…! なにごとも小さな一歩から、そしてバランスよく (^▽^)/

今日は二十四節気で〝啓蟄〟。 本格的な春に向けて、草木だけでなく虫たちも、目覚め動き

始める頃…。 可愛らしい向上心に満ちた土筆の姿をみかけるのも、もう間もなくでしょうか。


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