心を癒すお花の話

四季のある国に暮らしていると、季節ごとに、その姿かたちや色、香りで、私たちを楽しま

せ、元気づけ、癒してくれる草花たちとの出会いに恵まれます。

これは、そんな草花をこよなく愛する私がお届けするメッセージです。

幼き日の思い出の風景 蓮華草(レンゲソウ)

中国原産のこの花の正式な名称は〝紫雲英(ゲンゲ)〟ですが、ハスの花に似てい

ることからレンゲソウとよばれ、こちらのほうが馴染みがあるかもしれませんね。

英名では〝Chinese milk vetch〟ですが、これは、この草を羊が食べるとお乳の量が

増えるといわれることによるそうです。

レンゲソウもマメ科の植物ですので、根に〝根粒菌〟が共生しており、空気中の窒素を取り

込んでたくわえ、土壌を肥沃にするこうかがあります。 ですので、かつては水田にこの種を

蒔き、一面のレンゲ畑にしていた風景が、ごく普通にみられたものです。

レンゲの花はそのまま鋤きこまれ肥料にされたそうですが、化学肥料の普及におされ、そん

な日本の原風景も、今は幼い日の思い出の中…すっかり姿を消してしまいましたね。

さて、レンゲソウにはこんな悲しいギリシャ神話が伝えられています。  

ある日、美しい姉妹が祭壇に捧げる花を摘みに、春の野に出かけていきました。 そして、

水辺に咲いているレンゲソウを見つけた姉がその花を摘むと、なんと折った茎から血が

流れたというのです。 というのも、実はその花は、嫌な男から逃れるために姿を変えてい

たニンフだったのです。

すると姉の足は草に変わり、地に根が張っていきました。 姉は「花はみな女神が姿を変え

たもの…。だかもう花は摘まないで…!」 と妹に言い残して、代わりにレンゲソウになって

しまった…というのです。

〝手に取るな やはり野に置け 蓮華草〟 これは、江戸時代の俳人 滝野瓢水(たきの

ひょうすい)が、遊女を身請けしようとした友人を止めるために詠んだ俳句です。

レンゲ(遊女)は野に咲いている(自分のものではない)から美しいのだ。 だから、自分の

ものにすると、その美しさは失われてしまうよ…という意味ですね。

そこから転じて、なんでも、そのものにふさわしい環境に置いておくことがよいのだ…という

たとえとして使われています。

レンゲソウの花言葉は 「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」 「心が和らぐ」 ですが、これは

この植物がもつ解毒作用に由来しているといわれ、全草を乾燥させたものを煎じてうがい

薬としたり、生の葉を絞った汁を外傷薬にしたり…薬草として、人々の生活の中で親しまれ

てきたものの一つなのですね。

また、レンゲソウの花は、良質なハチミツが採取できる蜜源植物としても利用されています。

上品なコクがあり、舌ざわりはまろやかでほんのり酸味があり、美しく淡い色合いにフロー

ラルな香り…と日本人の好みにぴったり合ったこのハチミツは〝ハチミツの王様〟と言われ

たりもします。

野にある花は野にあるからこそ美しく、私たちに豊かな恵みももたらせてくれる…。

そんな思いで見つめると、さらにその花々がいとおしく感じられる…そんな時間に浸る春の

日の私です。


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心理カウンセラー永倉知佳(ながくらともか)による子育てママのためのセラピー&カウンセリング・魔法の質問講座

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